3Dプリンター 導入1

一時期テレビの報道で取り上げられることもあり、ちょっとしたブームな感じだった3Dプリンターですが、それも下火になってきた感がある反面、価格がこなれてきて手が届く位になってきましたので、いよいよ購入してみました。
とは言え、初3Dプリンターなので投資は抑えて様子を見たいところです。で、完成品ではなく比較的安価な自分で組み立てるキット形式のプリンターにしました。
とりあえず説明書通りに組めばなんとかなると気軽に考えていたので、4月の中頃に注文して平成が終わるまでに組み立てられるだろうと踏んでいたのですが、紆余曲折があり結局は令和になってしまいました。

 
選んだのは中国のHICTOPの3DP-17というプリンターです。アマゾンで割引をやっていて3万円ちょっとでした。
うまく動けば倍以上の価格の完成品プリンターの性能に匹敵する予定です。
注文して3日で到着しました。届いた外箱はガムテープでぐるぐる巻きにされており、いかにも海外製といった感じですが、発送は大阪府茨木市になっていました。

 
本体部品のほかに、付属品はDVDと保証書とおまけのフィラメント(黒色)です。
ここで最初の問題が発生しました。付属品のDVDが読み込めません。ほかのパソコンやらDVDプレーヤーでも試すのですが、中身のファイルを認識してくれません。DVDの裏を見るとWriteした形跡はあり、何かデータが入っているようには見えます。
説明書関係はすべて電子化されてDVDに入っているはずなので、これでは組み立てはおろか、部品の確認すらできません。結局は早々にサポートのお世話になることに・・・。
サポートからはすぐに機械翻訳的な日本語で返事が来ましたが、誘導されたダウンロードサイトのZIP形式のファイルがなぜか正常に解凍できず、結局はメールで送ってもらうことになりました。(ダウンロードした部品表のpdfファイルとテストプリント用データは使えました。)

 
まずは部品の確認です。海外製ですのでよくチェックしておかないと何があるかわかりません。
部品表と見比べて過不足をチェックしますが、微妙に電源スイッチやネジやら足りないものがあり、サポートに聞くと仕様変更があったので部品表と相違があるとのこと。一先ず、必要な部品はそろっているようです。
ネジは曲がってたり歪んでたりして使えないものがありますが、予備がありそうだったのでそのまま組み立てを始めました。なお、別途購入品として、M3とM5のワッシャが必要になります。(各20枚程度があれば足りたと思います。)
また、フレーム材の連結用金具の取付穴はバリ処理が必要でした。これくらいならかわいいのですが、フレーム材には2枚目の写真のように切削屑がたくさん付着しており、おまけに養生用のテープ(養生テープではなく、セロハンテープのようです。)をはがすと粘着材がフレーム材に残ってしまい、これには閉口しました。

 
部品チェックのあとは組立説明書を見ながら組み立てに入ります。
(以降は説明書通りなので、あれっ?と思ったところを書いていきます。)
まずは土台作りなのですが、使用する先ほどのフレーム材を水と洗剤で洗浄し、無水アルコールでへばり付いている粘着剤を落とします。これにはかなり時間がかかり、気分が萎えてしまいました。
気を取り直して土台を組み始めましたが、プリント精度に大きく影響しそうなので、できるだけ歪みやねじれがないように気をつけました。

 
できた土台にヒートベッドを取り付けます。1枚目の写真の右のモータが駆動用のステッピングモーターです。中央に逆三角形に3つ並んでいるのが、ヒートベッド取付用のリニアベアリングです。リニアベアリングはシャフト上を滑らすとゴリゴリ鳴り、壊れていないか不安になります。
2枚目の写真のヒートベッドに取り付けるリミットスイッチです。リミットスイッチは電線の長さが2種類ありますが、長い電線の方のスイッチを使います。(説明書には書いていません。)

 
リニアベアリングにヒートベッドのベースを取り付けて、移動の芯出しをするために手で動かしていたら、リミットスイッチの電線が何かに引っかかってちぎれてしまい、半田付けで修理する羽目になりました。今回に限らず、このプリンターのリミットスイッチの端子部で電線がちぎれることが何回かありました。完全にプチッといってくれたらまだ良いのですが、黒いチューブの中で切れかけていたりすると、見つけるのが大変です。

 
また、リミットスイッチはステッピングモーターの側面に当たって作動することになるのですが、そのままではスイッチの板の半分しかステッピングモーターに当たらないので、5mmのプラ棒をリミットスイッチとベースの間に挟んで位置を調整しました。
あと、ヒートベッドの動作方向はY軸にあたりますが、このベルトが緩いと印刷物のY軸方向のずれが大きくなり、ひどいときは印刷物が綿あめになりますので、なるべくピンピンに張ります。このとき、リミットスイッチが取り付けてあるパーツにベルトの凸凹を引っかけるようにして止めるのですが、そのまま放っておくとテンションがかかったときにベルトがその凸凹を滑って緩んでしまうので、メーカーがYouTubeで公開しているように結束バンドを併用する方法で固定します。ただし、張り直しのときに持ちしろのための余長が欲しくなるのでベルトのカットはしていません。

 
土台ができたら柱を立てます。固定は機器取付用のプレートで行います。
1枚目の写真は向って右側になる電源ユニット用のプレートです。以降の共通事項ですが、薄い板をフレーム材に固定するときは、そのままではねじがわずかに長くフレーム材の中でつっかえて固定できませんので、ワッシャを挿入してねじ長さを調整します。
2枚目の写真は向って左側の制御ユニットです。写っていませんが、フレーム材とプレートの取付には同じようにワッシャを挿入しています。
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前から見るとこんな感じになります。
この柱のフレーム材ですが、説明の指定の寸法で組むと組み立て後にエクストルーダーのノズルがヒートベッドよりも前に数ミリだけはみ出したので、あとで後ろにずらしました。組み立て後にずらすのはちょっと面倒でしたので、あらかじめ5mmほど後退させておいても良いかもしれません。(先ほどのリミットスイッチのステッピングモーター側にドッグを新設するなどしても対応は可能です。)
長くなったので、今日はここまでです。<(_)>