再生産された98037 JR キハ120-300形ディーゼルカー(三江線)セットが入線しました。
廃線を控えての需要増を見込んだ上での再生産でしょう。
廃線といっても、このカラーのキハ120は山陰本線の運用にも就いているので、仕事場が全く無くなってしまうわけではないのですが。
付属品はライトON/OFF用のドライバーが1本でした。
行き先は「江津」、車番は311(M)と317です。現行仕様と言うことでトイレ付きです。
行き先については、このあとサードパーティー製のステッカーを使って変更します。
屋根です。同じキハ120形でも、関西線の現行仕様のような変なアンテナは付いていません。
ヘッドライト、室内灯とも最初期の製品(ヘッドライトはオレンジ色LED、室内灯は電球)から改良されていますが、なぜかヘッドライトが白色です。これは行き先表示を変更するときにライトユニットを外しますので、一緒に改修します。
室内灯ユニットはライトプリズムが廃され、チップLEDが分散光源として用いられています。また、室内灯ユニットの基板は片側のみの支持になっており、もう一方は浮いているという思い切った(?)設計です。
ライトユニットの形状は昔のままですが、行き先とワンマン表示が印刷されています。
早速、製品をいじってみます。先ずは行き先表示の変更です。富士川車両工業製のステッカーを使います。キハ120用に数種類が発売されていますが、三江線用がラインナップされていますのでこれを使いました。
収録内容は、
前面ガラス全体(行き先・ワンマン表示共)
・出雲市,浜田,益田(ローマ字表記共) 各2個
行き先
・出雲市,太田市,江津,浜田,益田,三次,口羽,浜原,石見川本,試運転,回送 各5個
・出雲市,太田市,仁万,江津,浜田,益田,三次,口羽,浜原(ローマ字表記共) 各5個
その他
・優先座席 9個
・ステップに立たないで下さい。 24個
・指づめ喚起表示(左右) 各28個
です。細かな文字はつぶれて印刷されていますので、想像で書いています。
説明書にはステッカーを貼る位置が図示されていますが、不正確な部分があります。実車は指づめ喚起表示の指マークがドア中央側に向いています。(室内に貼るならドア外側向きですが、そんな人は少ないでしょう。)また、優先座席表示は窓の上半分の中央付近が正しい位置です。あと、細かい話ですが、三江線神楽号(キハ120-310)の指づめ喚起表示は指先に×印がなく三角印です。位置等は車両によって異なることがあるかもしれませんので、実車の調査が必要です。(追記:指づめ喚起表示ですが、車両によって外を向いていたり、中を向いていたり、×印だったり、三角印だったり、▲印が白だったり赤だったり、同じ車両でもドアによって異なったりしているので、実車の調査が必要です。優先座席表示の位置は一定のようですが・・・。)
前面ガラス用ステッカーをこんな感じで用意します。左右については、ボディの内寸似合わせてコンマ数ミリの余白を残して切り出しています。左右の余白はない方が見栄えが良くなります。行き先は「浜原(For Hamahara)」にしました。
追記 2018/07/11:後日、前面ガラス用ステッカーを他に転用したため「江津(For gotsu)」に戻しました。
次にヘッドライトのLEDを交換します。
ライトユニットを分解して基板上のチップLEDを白色から電球色に交換するだけです。といっても、チップLEDの光軸は前方に向ける必要がありますので、横倒しにしてハンダ付けします。今回は、TORM.製の室内灯基板の折り取った部分に付いていた電球色のチップLEDを再利用しました。当初、3mmの砲弾型LEDにしようと試みましたが、抵抗やコンデンサが邪魔でライトケース内に収まりませんでした。
以前に関西線仕様のキハ120をいじったときと同様に、ウレタンの切れ端を光の回り込み防止のためにライトユニット内の隙間に詰め込みます。このとき、ウレタンが基板より上にはみ出すと、ヘッドライトの光量が落ちてしまうので気をつける必要があります。
出来上がりはこんな形です。ヘッドライトが実車らしく電球色になりました。
なお、ステッカーはライトユニットには貼り付けずに、前面ガラスとライトユニットとの間に挟み込んで固定します。ライトユニットをボディーに戻すときにテールライトレンズがボディーの穴にうまく合わないときは、針の先で誘導してあげるとするりと入ります。
これで整備は終わりです。
来春には廃線になってしまう三江線ですが、当鉄道では末永く活躍してもらいたいと思います。
<(_)>
(参考記事)
TOMIX キハ120形(関西線) トイレ増設
TOMIX キハ120形(関西線) 室内灯・灯火類整備