KATO 3045-1 EH200 量産形です。先日のDF200と同じく入線はかなり昔でした。DF200を常点灯化した流れでEH200にも挑戦してみます。また、ついでに8軸集電化(全軸集電化)もやってみます。 1枚目の写真のS280レールは大きさの比較用ですが、ケースがめっちゃデカいです。 KATOのホームページには「平成18年(2006)以降の増備機である2ケタ車番をプロトタイプに・・・」とありますが、3045という品番で1号機をプロトタイプにしたモデルもあるようです。 付属品は最近のモデルとしては標準的なものです。ナンバーは12,15,20,24号機が選択できます。 さて、何をするにも分解しなければいけないのですが、これがまた面倒くさいです。 1枚目の写真のボディーの内側にあるガラスパーツの鉤が本体のダイキャストのツメに引っかかっているのですが、簡単には外れてくれません。そこで2枚目の写真のように薄いプラ板を差し込んでツメを外しつつ、ボディーから本体を引き抜くようにします。 まず常点灯化を行います。 いきなりですがライト基板の写真です。2枚ある内の1枚(写真の上側)のLEDの足にコンデンサが直接半田付けされているので、これを除去します。除去したコンデンサの容量を手持ちのテスターで測ると1.5μFでした。(安物のテスターなので誤差はそれなりにあるかもしれません。ちなみにDF200に付属していたコンデンサも同じ容量です。)今回はこのコンデンサを再利用することにします。 コンデンサを除去すると走行時に後ろ側のライトがちらつきますので、代わりにコンデンサと抵抗を直列につないだサージキラーをモーターと並列に入れます。写真はその回路定数を決定するための実験風景です。 実験の結果は前回のDF200と同じになりましたが、コンデンサは再利用品の(多分)1.5μFで、抵抗は在庫の関係で120Ω×2個の60Ωという組み合わせにしました。抵抗は10Ωでも良かったのですが、発熱を抑えられないかと考え60Ωにしています。記事を書いている途中で変更したので、以降は10Ωと60Ωの写真が混じっていますがご了承下さい。 さて、サージキラーを取り付けます。 最初は写真のように仮付けしてみたのですが、台車の集電部分の真上にリード線を半田付けすることになってしまい、集電板の動きが悪くなり集電不良が発生してしまいましたので、別の場所に取り付けることを考えます。 適当な場所を探すためにボディーと本体の間に粘土を挟み込んでプレスします。 天井に開口があり、高さ方向にスペースがありそうな矢印の場所に設置することにします。 写真のようにライト基板に0.2mmくらいの銅線を半田付けしてヒゲ出しをします。今回は0.4mmの燐青銅線しか持っていなかったので、半田付け部分をヤスリで削って高さを低くしました。基板の銅箔面に厚みを作ると本体に取り付けたときに基板が浮いてしまうからです。また、半田付けの面積が大きくなると集電板上にある出っ張りに当たって、これまた基板が浮いてしまうので注意が必要です。 ヒゲ出しした銅線にコンデンサと抵抗を半田付けします。反則的なやりかたですが、両面テープでチップ部品を固定してから半田付けしました。抵抗は2段積みにして並列接続としています。 次は8軸集電化(全軸集電化)です。 このEH200のモーター用の集電は動力車のみからで、動力車はトラクションタイヤを左右に1個づつ履いていますから、フランジでの集電を考えなければ実質は3軸で集電していることになります。一方、非動力車であっても前照灯用に集電をしていますから、この電力を動力車へ供給できればかなりの集電性能の向上が見込めます。 当初はこれについても1枚目の写真のようにビニル電線をそのまま集電板に半田付けして試してみたのですが 、2枚目の写真のように集電板をめくると台車の集電シューが突き出しており、集電シューの動きに対する集電板の追従性を半田付けによって阻害してしてしまっていたので、集電不良が発生してしまいました。そこで半田付けの箇所を変更することにします。 まず、ライト基板のダイオードの両側(写真の黄色線部分)を削って、ビニル電線を通す隙間を確保します。下が加工前で、上が加工後です。 次に、幅2mm×厚さ0.2mmの洋白板を写真のように半田付けしてベロを出します。半田付けした箇所は洋白板の厚さまでヤスリでならしておきます。在庫の都合で洋白板を使っていますが、燐青銅板でも良いです。厚さはもう少し薄くても良いかもしれません。 同じように加工した2枚のライト基板を各車両に取り付け、各基板のベロにビニル電線を半田付けして、車両同士を電気的に接続します。 なお、ビニル電線が長いと動力の伝達軸に当たって異音等の原因となりますが、2本の電線を片側の車両にだけ半田付けしておき、半田付けした側の車両にだけボディーをかぶせてみると、比較的容易に適切な長さを決めることができます。(このときお互いの車両の位置を色々と動かしてみて、電線が突っ張らないか試す必要があります。) ボディーを取り付ける前後の写真です。サージキラーが取り付けてある右の車両がモーター車です。 常点灯が効き、後ろ側のライトのちらつきもなく、動作確認の結果は良好でした。 仕上げに手スリ、アンテナ、ホイッスル、信号炎管、ナンバーを取り付けます。 ホイッスルは方向がわかりにくいので注意して下さい。白いアンテナは嵌め合いが緩かったので、少量の木工用ボンドを塗布しました。 特定機に思い入れがなかったのでナンバーについては何号機にするか迷いましたが、以前に13号機の写真を撮っていたので、これ近い12号機にしました。 これで整備は終了です。早速、以前に入線したタキ1000を牽かせて楽しみたいと思います。 しかし、H級機は良いですね。威圧感が違います。昔はEH10が見られたら「当たり!」と思っていました。いい加減、EH10もKATOさんからちゃんとしたスケールで出してもらえないでしょうか。 それでは。<(_)>