KATO DF200-0 整備2

前回はあきらめましたが、やっぱり気に入らないので、KATO DF200の後ろ向きのヘッドライトのちらつきを低減させることを考えてみます。


原理を単純化して書くと次のようなことだと思います。
モーターのような負荷(誘導負荷)だと、レールと車輪の導通不良等で電源とモーター回路が遮断された瞬間に、電流を流し続けようとしてモーターにサージ電圧と呼ばれる電圧が発生します。このとき、モーターに発生するサージ電圧の極性は通常時と反対になりますので、後ろ向きのヘッドライトのLEDが光ってしまいます。モータからの電流が後ろ向きのヘッドライトのLEDを通ってモーターに還ってくるイメージですね。実を言うと、これとは別に常点灯システム自体が常にサージ電圧を発生させているのですが、今回は考慮しないので説明を割愛します。


さて、サージ電圧に対処する方法は色々と考案されていますが、鉄道模型の車両に施すなら、図のようにコンデンサと抵抗を直列につないでモータと並列に入れるCR方式が簡単です。(というかこれくらいしか選択肢がないのですが・・・。)Webを巡回しているとスナバ回路と呼んでいる方もおられましたが、私は普段から色んな方式をひっくるめてサージキラーと呼んでしまっているので、あまりなじみのない名称です。

 
早速、前回の0.01μF×2個のコンデンサを外して実験してみます。パワーユニットはTOMIXのN-1000-CLです。2枚目の写真はテストリードを引きずりながら走っているかなりバラックな実験中の風景です。ww
オムロンのホームページにCR方式の回路定数の目安としてコンデンサは接点電流1Aに対し0.5~1μF、抵抗は接点電圧1Vに対して0.5~1Ωとありましたので、試しにこれに基づいて計算してみます。モーター電流0.36A(DF200の説明書)、電源電圧12Vですから、それぞれの値は0.18~0.36μFと6~12Ωです。そこで手持ちの部品をつないで試してみましたが、どうやってもちらつきが抑えられません。ただ、オムロンのホームページの値はリレーの接点の保護を目的としたものですので、うまくいかなくて当たり前なのかもしれません。
そこで、コンデンサを1.0μFにして抵抗を10~数10Ωにしてみると、常点灯が効き、ちらつきも抑えられました。(元々付いていた(多分)1.5μFのコンデンサを紛失してしまったので、在庫があった1.0μFを使っています。また、抵抗を100Ω以上にすると、ちらついてしまいました。)


コンデンサと抵抗を組み込んだライト基板の写真です。チップ抵抗の在庫の関係で120Ωの抵抗を2個並列にして60Ωとして使っています。写真の「561」と表記されているチップ抵抗の上端がモーターに接続されているパターンなので、ここにチップコンデンサを半田付けしています。コンデンサと抵抗の間はリード線でつないでいますが、途中でLED行きのパターンと交差するので、短絡しないように絶縁しています。(ピンクのチューブです。)
抵抗については最初は10Ωにしていたのですが、かなり抵抗が熱くなるので、大きめの抵抗値を採ることで電流制限をかけて発熱を抑えています。


無事に常点灯と後ろ向きのヘッドライトのちらつき防止が達成できました。
最後に、今回の実験で求めた回路定数はTOMIXの常点灯システムの使用が前提で、かつ、ほかの種類の機関車や同じDF200でも違う個体だと変わってくる可能性があることに留意しなければいけません。
それでは、今日はここまでです。<(_)>

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